hachi工房

美学街道エリアの中で最も京都に近い「西本梅」というエリアの廃校を活用した施設で工房を構えるのは「hachi工房」の岡本氏だ。地域のお寺のご子息と結婚し、移住する形で西本梅にやってきた。その中で、地域に根ざして暮らし、仕事をするために手に職をつけたいと思ったことが革職人を志したきっかけになる。

女性向けのシューズを多く作る岡本氏の作品達は、どれもが柔らかく優しい印象を与える。牛革の他に、最近は地域の鹿の皮も製品化するなど新しい取り組みにも積極的だ。

美学街道に参加することで今まで「ものづくり」としての観点に絞っていたところから、体験してもらうには、楽しんでもらうには、という考えの切り替えがあった。ワークショップの道具を揃え、数時間で一緒に作れるスリッパづくりは参加した子どもにも好評。

ものづくりとしての技術を極めること自体はとても素晴らしい事で、技術が高い人の作品は多くの人に感動を与えたり価値を生み出すものだろう。岡本氏はこうして作家としての技術も磨きながら、ものづくりを体験するおもてなしも真摯に取り組んでくれた。根底にあるのは「お客様に長く喜んで貰えるものをつくりたい」という「美学」なのではないかと考えさせられた。

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