美学街道のエリア「福住」の田んぼの畦道を通った面白い立地に拠点を構えるのは「けせら工房」の松岡夫妻。わた、藍、茜などの植物を育てて染色を施し、糸を紡いでいく。
けせら工房が手がける様々なクラフトの作品は全て「暮らし」にまつわるもの。衣食住に関することを自分自身が一から知って、形作っていけるように、そしてそれを周りの人にシェアしていきたい。
コロナ禍以前は積極的にワークショップも行い、自分達が学んだ暮らしの知恵や作り方を多くの人と共有していった。竹籠の制作についても一から学んだやりかたで、手作業で創り上げていく。庭師であり、手づくりで醤油を絞る仕事もしている夫の大輔氏は、環境をより良く繋いでいくために自分ができることは何か考えた結果今に辿りついたとお話してくれた。
私たちが普段食べているもの、着ているのもの、住んでいる場所は、いったい何でできていてどこからやってくるのか。そしてどうやって捨てられていくのか。そんなことを考えに考えた結果辿り着いたのが福住である意味を感じながら、生き方の「美学」を見せて貰えたような気がした。