美学街道「福住」エリアに工房を構える関野夫妻は吹きガラスのアーティストだ。ベネチアングラスの技法で繊細に装飾を施しながら、２人で息ぴったりに作り上げていく工程は、技術としてもアートを感じさせられる。

関野氏が福住に移住し工房を構えた頃、まだ知名度もなく作品が売れない時期が続いたそう。そんな中でも自分達が思う作品づくりの方向性やこだわりの部分は絶対に曲げず、自分達らしさを追求した。

奥さんも同じ吹きガラス作家として、ガラスのジュエリーも販売している。さまざまな表現の中で自分達らしさを失わないまま仕事を創り上げることも、アーティストとしての素質ではないかと感じた。

関野氏が作品作りにおいて納得ができるかどうかは立ち姿の美しさにかかっている。自分の作品と表現に対して一切の妥協を許さず、それでいてハンドメイドで作り上げていく美しいグラス達が関野氏の「美学」をまさに現した作品であると感じさせられる。